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2019.10.1

「待機児童問題」の“いま”を正しく理解しよう

“保育園が増えてるの?それならもうこれからは大丈夫よね?”となりそうですが、残念ながら「さあ、これで待機児童問題は解消!」…とはいかない。
「待機児童問題」の背景、「そもそも」を紐といていきましょう。

「保育園落ちた日本死ね!!!」のその後

「保育園落ちた日本死ね!!!」この言葉に聞き覚えがある方、多いですよね。
メディアでも話題になった、子どもを出産した女性が投稿したブログ記事です。冒頭の言葉の後には、子どもを預け、会社に復帰する予定にしていたのに、申し込んだ複数の保育園のすべてに入れず、おかげで会社を辞めなければならない!どうしてくれるんだ!といった憤りが「1億総活躍の実現」を掲げていた政権批判と共に綴られていました。
この言葉は、2016ユーキャン流行語大賞トップ10にランキングしたこともあり、当時、社会にかなり大きなインパクトを与えました。
あれから3年近く経ちましたが未だなお、この「保育園落ちた日本死ね!!!」というショッキングな言葉だけが独り歩きをしているように思えてなりません。

「0歳からの保育園」は、働きたいママにとって越えられない高い高い障壁…。
複数の保育園に申し込んでも、○人待ちと言われて、もう保育園をさがすのに疲れた…。
…このように、いつまでもマイナスイメージに引きずられて諦めてしまっているママもいるかもしれません。

くだんのブログは、生々しい本音を書き殴った感のある、とても感情的な文章だったこともあり、当時賛否両論ありました。
「本当に困った母親が書いたブログなのか?」と懐疑的にみる向きもあったようです。しかし保活中の母親、子育て経験者、保育士を希望するも働く場がない男女など、共感した人たちは27,682人にものぼり、保育制度の充実を求めた署名という形ででムーブメントにもなり、これが後押しとなって遂にこの投稿が国会で取り上げられることとなったのです。

一人の母親の悲痛な叫びは、まぎれもなく「待機児童問題」という課題と向き合うべき、ということを世の中に広く、強く提起したということになります。

待機児童問題の「いま」

「子ども・子育て支援新制度」や「待機児童解消加速化プラン」などの国の施策を受け、各自治体は保育所等の整備、認定こども園への移行支援、企業主導型保育事業の設置促進、自治体所有の住宅空室・小中学校余裕教室・市営公園など既存の土地や建物での小規模保育事業促進など、さまざまな方法で保育の受け皿を拡大する取り組みを行ってきました。
“保育園が増えてるの?それならもうこれからは大丈夫よね?”となりそうですが、残念ながら「さあ、これで待機児童問題は解消!」…とはいかない、さまざまな課題とつながっているのです。

「待機児童問題」の背景、「そもそも」を紐といていきましょう。
待機児童問題は子どもを預けて働く人が増えることと直結しています。
社会という大きな枠組みで考えると、働く人が増える=社会保障制度の安定化。つまり「そもそも」を辿れば、働く人が増えることで、税収が増え、それによって年金などの社会保証の充実につながり、社会が安定するということ。つまり、あなたが働いた分、あなたや子供の将来の安定にもつながるのです。

少子化に伴い、政府も働く人を増やす施策として「女性活躍推進」、「一億総活躍」などを掲げ、受け皿である企業も両立支援などの制度をつくるなど努力をした結果、働く女性が増えました。労働人口の確保は、国の存亡にもかかわる大きな社会課題ですから、ニュースで目にするさまざまな施策は、そこにつながっているんですね。

…ということで、保育園を増やそう!ということで増やしたのはいいですが、同時に保育士が足りないという問題に今、直面しています。保育士がいなければせっかく増やした保育園は閉園してしまうかもしれませんね。そこで、保育士が働きやすい、働き甲斐を感じられる環境づくりとして処遇改善をはじめとしたさまざまな取り組みが各自治体でおこなわれています。
大阪府では、“子どもと関わる仕事がしてみたい!”という女性であれば、保育士資格を持つ持たないに関わらず応援するというスタンスで、さまざまな支援をおこなっています。

大阪府の報道発表資料より一部ご紹介します。
待機児童数は3年間の推移でみると明らかに減っています。しかし、大阪府福祉部ご担当によれば、「課題が解消されたとは考えていません。働く女性の増加などによる申込数増加を常に見据え、さまざまな取り組みは持続させることが大事と考えています」とのお話でした。

待機児童数の増減の要因

●待機児童数が増加した市町村では、女性の社会進出等により、申込者数が増加したことや、保育士が確保できず受入れ児童数を減らした ことなどが要因として挙げられました。
●待機児童数が減少した市町村では、保育ニーズの高まりを受け、計画的な施設整備や既存保育所等の定員増加策に取り組むなど、保育の 受け皿を拡大したことが要因として挙げられました。
待機児童解消に向けた府の取り組み
●市町村が取り組む保育の受け皿づくりを支援
 (安心こども基金等による整備補助や府営住宅の空室など既存ストックの活用)
●保育士確保への取り組み
 (保育実技講習会方式による地域限定保育士試験の実施や、潜在保育士の復職支援の実施)
(出典:大阪府ウェブサイト 保育所等利用待機児童数等の状況について (平成31年4月1日現在)を引用し、一部グラフに加工)

保育士確保への大阪府の具体的な取り組み

やっぱり子どもと関わる仕事がしたいあなたへ 保育の仕事がしたいあなたを応援します!


詳しくはこちらまで
名称:大阪府保育士・保育所支援センター
住所:〒542-0065 大阪市中央区中寺1-1-54 大阪社会福祉指導センター3階
電話番号:06-6762-9006
メールアドレス:oskhoiku@gmail.com
URL:http://www.osakafusyakyo.or.jp/fcenter
開所日:月~金曜日 午前9時~午後5時(土日祝年末年始は休み)

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この貸付金は、資格取得や復職についての必要な費用、養育する未就学児の保育料等を無利子で貸し付ける制度です。
各制度の定められた要件を満たし、大阪府内の保育所等で児童の保護等の業務に従事すれば返還免除となる貸付制度です。
●各制度の詳細は必ず募集要領でご確認ください。 ●各制度の府内※には大阪市・堺市を含みません。

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団体名:社会福祉法人大阪府社会福祉協議会 大阪福祉人材支援センター
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