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2019.09.12

夜泣き・寝ぐずり

赤ちゃんが大きな声で泣いているとき、一番泣きたいのはお母さん自身かもしれません。まずは日々がんばる自分を抱きしめて、ゆっくりお母さんになっていきましょう。

生まれたての赤ちゃんに夜泣きの概念はありません。

おなかの中で赤ちゃん(胎児)は20~30分程度の短い睡眠を繰り返して育ちます。
赤ちゃんが動くためには多くの酸素や栄養が必要になるため、一日の中でもお母さんが忙しく活動する昼よりゆっくり休んでいる夜のほうが、胎児の動きは活発になることが多いです。

そのせいか、生まれてすぐの赤ちゃんは、昼にぐっすり寝て日が暮れてから覚醒し、周りの環境や自分の快・不快に気づいて夜に泣くことがよくあるのです。
抱っこをして安心させてほしい。暑い・寒い、まぶしい・暗い、おむつが濡れている。おなかがすいた・逆におなかがいっぱいで苦しい。など。

赤ちゃんが泣いたら、まずはゆっくり観察してみましょう。そして、一つ一つ不快を取り除いて、安心させてあげること。それを繰り返すことで「泣くと人が来てくれる。人が不快を取り除いて安心させてくれる」ということがわかり始めます。
そして、その時に大人が「たくさんおしっこ出てたね」「新しいおむつ、すっきり気持ちいいね」と語りかけていくと
赤ちゃんも少しずつ自分の状況を言葉と連動させて理解できるようになっていきます。
そして、太陽の光を浴びて、日中周りの人たちとの活動が増えて行くにつれて、少しずつ昼に活動して夜に寝るリズムに慣れていきます。

眠いのに寝られない。寝ぐずりの原因は?

おもちゃを持ったまま、時にご飯を食べながら寝てしまう―ということがあるように、赤ちゃんは眠たくなれば寝ます。
そして、たくさん泣いて体を鍛えながら成長していきます。
でも、まわりの大人が必要以上に「赤ちゃんを泣かせてはいけない」と緊張していると、赤ちゃんにもそれが伝わり、逆に眠りにくくなることもあります。

とはいえ、産後のお母さんたちは、ホルモンバランスの変化や睡眠不足、過労・不安から過緊張になりやすい状態です。
大切なのは、お母さんが一人で抱え込まないこと。早めに周りの人たちに協力を仰いでください。

そして、緊張してるなと気づいたら深呼吸をしたり、誰かにマッサージしてもらったり、自分なりの方法でリラックスして、幸せホルモンともいわれるオキシトシンの分泌を増やしていきましょう(オキシトシンは母乳の分泌にもかかわっています)
他にも、赤ちゃんを反らせずに力を抜いて丸く抱っこしたり、おくるみでお雛様のようにくるんであげたり、赤ちゃんを包みこむようなお布団(トッポンチーノ®)やスリングなどの使用で赤ちゃんの緊張をとる方法やグッズなどもありますので、気になる方は探してみてください。

赤ちゃんが大きな声で泣いているとき、一番泣きたいのはお母さん自身かもしれません。
大きな声で泣いてもいいよ。助けてって言っていいよ。何もできなくてもあなたはそのままで愛される存在だよ。そんなことを赤ちゃんから学ばせていただける時期、まずは日々がんばる自分を抱きしめて、ゆっくりお母さんになっていきましょう。

Profile

岸本助産院・岸本玲子

Job

平成20年に大阪府交野市で有床助産院を開業。

Introduction
【妊婦よ野性へもどれ】を合言葉に
本能や五感を使った出産・育児を応援。
http://kishimotojosanin.com/index.html

平成29年には
築120年を越える古民家を借り上げ
「きさいち邸 産巣日〜むすび」を開き、共に産みだし育てる場。
いのちよろこぶ衣食住の営みと学びの場として解放しています。

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