Columnコラム

2019.09.12

データでみる・まなぶ

キャリアってそもそも何?

「キャリア」という言葉を聞いて、あなたは何をイメージしますか?

「キャリウーマン」「キャリアアップ」「キャリア官僚」…など、“キャリア”と付く言葉はたくさんありますが、そもそも「キャリア」という言葉の持つ意味をご存知でしょうか?
和英辞典等で調べると、一般的には次のように定義されています。

Career

【名詞】1 生涯、経歴、履歴

【名詞】2(特別な訓練を要する)職業、生涯の仕事

【動詞+副(句)】疾走する

【形容詞】職業的な、はえぬきの、専門の

【語源】「車道」の意(中世ラテン語)

出典:Weblio英和辞典・和英辞典

確かに、職業での成功、出世といった意味もありますが、それだけではなく自身がどのように人生を歩んできたか、その経歴そのものが「キャリア」なんですね。

文部科学省でも「キャリア」教育は重要な位置づけとして定義

文部科学省ではキャリアを次のように定義しています。

人が、生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ね

2010年 中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」

さらに教育の観点から、このように定義しています。

「キャリア発達」とは社会の中で自分の役割を果たしながら、自分らしい生き方を実現していく過程

2011年 中央教育審議会 「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」

この「キャリア発達」を支援するものが、学校現場における「キャリア教育」で、各個人がそれぞれ自分らしい生き方を実現していくための学びといえます。そして、従来の基礎学力をつけるための教育に加えて重要なものとして、すでに小学校段階から「キャリア教育」が実施されています。

働いている方も働いていない方も
男性も女性も
子どもから高齢者まで

自分の強みを活かして社会の中で役割を果たしながら、自分らしく生きること。
これから母親となる皆さん、子育真っ最中の皆さんにも、ぜひ知っておいていただけたらな、と思います。

子どもが巣立った後も「あなたらしく」生きていくために―

また気の早いことを…とおっしゃる方もいるかもしれませんね(笑)
ただ、今だからこそ、具体的に考えてみてほしいのです。
まずは「あなた自身」のこれからを少しイメージしてみましょう。

人生100年時代という言葉はご存知ですね。
子どもが成人したとして、そのあとのあなたの人生は何年あるでしょう。

…いかがですか?

とてつもなく長い年数ですね。
母親という役割があるうちは、気にならないかもしれません。
日々がとても忙しくて、充実していて、私がいなければ家の中はどうにもならない!

でも子どもがやがて大人になり、家から巣立っていった時、ふと気づくはずです。

いつもそばであなたを必要としてくれる存在がいたからこそ、がんばれたのだと。
いつもそばであなたを必要としてくれる存在がいたからこそ、あなたもいっしょに成長できたのだと。

実際、子どもが成長してから、そうおっしゃるママたち、とても多いのです。
いえ、多少なりともそう感じたことのあるママがほぼ100%、そう断言できるかもしれません。現に私もそうです(笑)

成長することは、変わること
そのきっかけをくれるのは他人
新しい出会いが多いほど人は成長していく

成長するって、言い換えると「変わること」なのです。
そして多くの場合、自分が変わるきっかけは他人が与えてくれるのですね。

子どもの誕生、そして成長はきっと、あなたが変わるきっかけを与えてくれると思います。
子どもから教えられること、そして子どもを通じ新しい人とのたくさんの出会いとそこからの新たな学びが待っていることでしょう。
子どももまた、新しい人とのたくさんの出会いを通じて、成長して自立していくことでしょう。
学校教育もこれから、学び方や学ぶ質、大学受験まで大きく変わっていきます。
これからの時代は、「正解」はなく、それぞれの生き方をそれぞれが納得しながら選び、歩んでいく時代といえます。
だから、目の前のことが忙しくても、ぜひ自分のこと、これからのこと、社会や地域でどんな風に生きていきたいのか、今からでもアンテナを張って、具体的にイメージする準備を始めてもらえたらと思います。

ちなみに「今のあなた自身」にはどんな強みがありますか?
もともと自分が持っている資質や能力に加えて、子育てを通して新しい視点やつながりが加わることで、「あなた」の活躍フィールドの可能性が広がり、それに伴って社会や地域で「必要とされる」場面も増えると思います。
子育て、仕事、地域・・さまざまな形で社会とつながり、人と出会う中で、自分らしい生き方ができると素敵ですね。ある意味、選択肢は男性よりも多彩かもしれません。

共働きは当たり前…平成になってからどんどん増え続ける「働く女性」

厚生労働省の調査によれば、2000年以降、男性雇用者と無業の妻からなる世帯数を共働き世帯数が上回り、平成8~9年頃、つまり20年以上前に逆転しました。

逆転した当初は、家にいたいけれど生活のために仕方なく働きに出る、という女性も多く含まれていたようですが、その後、社会の価値観は大きく変化し、性別役割分担意識がかわりました。
わかりやすくいうと、高度成長期の日本の通念だった「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方から、「男女共同参画時代」へと、はっきりと転換されたといえます。

「働く女性」といっても就業形態はさまざま。非正規で働きたい人は約7割

働く女性が増えたといっても、正社員、契約社員、パート・アルバイト…。さまざまな働き方があります。
データによれば、「働きたい」と考える女性の約7割が非正規で働くことを希望しています。
これは高い割合だと思いませんか?
なぜ、非正規で働きたいのでしょうか。
その理由をみていきましょう。

「自分の都合のよい時間に働きたいから」が3割を越え、以下、「家計の補助・学費等を得たいから」、「家事・育児・介護等と両立しやすいから」の2割前後と続きます。

「自分の都合のよい時間に働きたいから」の言葉の裏には、例えば独身の人であれば、プライベートを充実させて自分を磨きたいということがあるでしょうし、既婚の人であれば、子育てと仕事のバランスを何より重視したい、とか、将来に備え、少しずつでも蓄えていきたい、といった動機が読み取れます。一方、自分の能力を存分に発揮し、高収入なお仕事に就いて家計を豊かにしたい人なら正規で働くことが向いていますが、パートナーや外部のサポートは大前提。もちろん、子どもが小さいうちは育児に専念するという価値観のもと、あえて働かない選択をしたい方もいることでしょう。
正社員VS派遣社員、という対立構造も時々漫画やドラマなどで描かれますが、正社員も非正規社員も、自分のこれからの生き方、思い描くライフスタイルによりメリット、デメリットが異なると思います。また、選ぶ会社や職種によっては非正規からスタートしてもキャリアアップは可能です。
いつでも、どんな形からでも、きっとあなたにしかできないキャリアアップがあるはず。
人生100年。長いですから。
家族が安心して暮らすために、あなた自身がやりがいを見つけ、いつも輝いていられるように、じっくり自分と家族のこれからの人生、考えてみましょう。

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